ゆりぽむ通信別館◆薬膳菜時記館◆



22候:小満初候「蚕起食桑」~夏の食養生。

本日5月21日は「小満」の初候です。
小満は、万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来る頃で暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」とあります。

日本の略本暦には「蚕起食桑」(蚕起きて桑を食む)とあります。
中国の宣明暦には「苦菜秀」(苦菜(にがな)がよく茂る)とあります。

二十四節気は、季節の区分の他気温や農事、物候などに分けて当てはめられています。
「小満」は「啓蟄」や「晴明」などと同じジャンル「物候(四季の移りに合わせた生物の周期現象と気候との関係)に当てはまります。

苦菜の事をちょっと調べていたので、そちらの事を書こうかと思ったのですが、それを書いていたら夏の食養生にたどり着かなくなるので、これはまた二十四節気以外の時に書く事にしましょう…。

さて、この時期の食養生ですが、1つ前の記事では、夏の薬膳を作る際に選ぶ食材のポイントとして、「清熱解暑」「生津」「止渇」「補気」「安神」などを挙げましたので、それらの食材をピックアップしたいと思います。

■清熱解暑(熱を冷ます作用のあるもの)
きび、はとむぎ、春雨、小豆、緑豆、アスパラガス、菊花、キャベツ、キュウリ、クレソン、香菜、セロリ、パイナップル、レモン、しじみ、昆布、ひじき、もずく、若布、緑茶、プーアール茶など

■生津(水分を補うもの)
豆乳、豆腐、オリーブ、アスパラガス、オクラ、キュウリ、白瓜、ズッキーニ、トマト、マンゴー、桃、梅、牛乳、ヨーグルト、、緑茶、プーアール茶など

■止渇(喉の渇きを改善するもの)
キウイフルーツ、杏、枇杷、葡萄、メロン、りんご、レモン、など

■補気(気を補うもの)
うるちまい、赤米、さつまいも、じゃがいも、やまいも、アスパラガス、枝豆、とうもろこし、えんどう、そらまめ、さくらんぼ、桃、鰹、たこ、まぐろ、牛肉、鶏肉など

■安神(精神を安定させるもの)
食材:玄米、小麦、青梗菜、蓮の実、ヤマブシダケ、あさり、いわし、しじみなど
嗜好品:烏龍茶、紅茶、ジャスミン茶、緑茶、赤ワイン、白ワインなど

わが家では、10年以上前から雑穀をブレンドして毎日のご飯に使っているのですが、この時期からのブレンドでは

・ひき割りとうきび(とうもろこし)
・ひき割りはとむぎ
・きび


が増えてきます。

今は季節的にえんどう豆が出回っているので、この様な豆ご飯を炊く事が多いです。
七分づきのお米に、ひき割りトウキビ、はと麦、きび、発芽米などを組み合わせた穀類と、えんどう豆(関西では「うすいえんどう豆」を使います)を加えています。
f0250305_11322822.jpg

うすいえんどう豆を使ったご飯の炊き方は、サヤの出汁で炊くというちょっと変わった炊き方なんですが、関西では一般的な炊き方なんですよ。
メインブログで炊き方を紹介していますので、良かったら下記リンクよりお立ち寄り下さいませ^-^

そして、7月ぐらいに入ってくると、枝豆や、緑豆ととうもろこしの炊きこみご飯…といった感じで、夏の色合いにどんどん変わっていきますが、季節のものを取り入れていると、おのずと食養生に繋がっていくと言う事なんですね。

【関連レシピ】
うすいえんどう豆ご飯の炊き方
とうもろこしでむくみ解消~ヒゲも使ったとうもろこしご飯
止められない止まらない…焼きとうもろこしの夏祭りご飯

ランキングに参加しています。
下のアイコンをクリックして頂けるととてもとても嬉しいです♪m(_ _)m
にほんブログ村 料理ブログ 薬膳料理へ
にほんブログ村

[PR]
# by yuri_yakuzen | 2013-05-21 11:39 | 二十四節気(2013年度)

21候:立夏末候「竹笋生」~夏の症状の特徴。

本日5月16日は二十四節気「立夏」の末候です。

日本の略本暦では「竹笋生」(筍生ず、筍が生えてくる)
中国の宣明暦では「王瓜生」(からすうりの実が生り始める)

とありました。
GWも終わり頃になると筍もそろそろ終わりだなぁ…と名残惜しくなってしまいます。
筍…といってもこの時期の意味としては、竹となっている事を表しているのでしょうか。
それとも旧暦の頃だと、筍が生え始めてきていたのでしょうか。


さて…前回、夏の特徴として
「昼が長く夜が短い」「気温が高くなる」「湿度も上がる」
と言う事を挙げました。

これが人の体に及ぼす影響はどんな事が考えられるでしょうか?
気温も上がって湿度も上がるなんて言うだけで、不快感そのものですし、夜が短いと言う事は寝不足にもなりやすそう?なんて事が考えられそうです。
私自身、夏はとても苦手でその最大の理由は「湿度」にありますが、湿度が高いのが好きと言う方って殆どいらっしゃらないと思います。

夏は五行では「火」となり、夏の五臓は「心」、症状の特徴はこの様な感じです。

・気温の上昇により気血の運行が活発になる
・心の機能が高ぶり、心拍が速くなり心気に負担をかけやすいのでめまいや動悸に注意。
・汗をかきやすいので津液が不足しやすくなる。
・熱さによる食欲減退で、夏バテや倦怠感を引きおこしやすくなる。

などが挙げられます。

体内に熱が篭もるので、汗をかき喉が渇いたりします。
熱は上昇する特徴のあるものなので、体の上部に熱が上がり、イライラや不眠の元になったりもします。

では、夏の薬膳を作る際はどんな食材を選べば良いでしょうか。

・熱を冷ます作用のあるもの(清熱解暑)
・水分を補うもの(生津)
・喉の渇きを改善するもの(止渇)
・気を補うもの(補気)
・精神を安定させるもの(安神)


といった感じでしょうか?
次では、食材についてまとめていきたいと思います。

最後までお読み下さりありがとうございました!
次回は5日後の5月21日の予定です♪

ランキングに参加しています。
下のアイコンをクリックして頂けるととてもとても嬉しいです♪m(_ _)m
にほんブログ村 料理ブログ 薬膳料理へ
にほんブログ村

[PR]
# by yuri_yakuzen | 2013-05-16 13:18 | 二十四節気(2013年度)

20候:立夏次候「蚯蚓出ずる」:夏の特徴。

本日5月10日は二十四節気「立夏」の次候です。
日本の略本暦、中国の宣明暦、共に

「蚯蚓出」(蚯蚓が地上に這出る)

とあります。
私、この字って初めて見ました。
これで「みみず」って読むんですね。

現在、ジュニア野菜ソムリエの次なるステップ、野菜ソムリエの資格を取得すべく講座を受講中なのですが、野菜ソムリエの勉強内容は、野菜の事だけではなく生産者側の話も含まれているんです。
なので、野菜を作る所からの話があるのですが、野菜を作るとなると「土」や「肥料」の話もでてきます。
先日の講座の中で、良い土壌というのは、土の粒子が団子状であるとか、微生物がバランス良く生息しているなどといった話があったのですが、その時に「ミミズ」の有益性などにも少し触れておりました。

授業を聞きながら、そういえば子供の頃、この時期に畑に行って土で遊んでたりするともれなくミミズとご対面ってしてたよねぇ…なんて事を思っていましたが、やはりそういう時期なんですね。

暮らしの中の薬膳…と思った時に、切っても切り離せないのは、季節だったのですが、歳時記を見ていく様になって、自然と言うものがとても身近に、また今まで以上に感じられる様になりました。

今、野菜ソムリエの勉強を行いながら、季節の野菜や旬のものを見ているのですが、小さなプランターでトマトの栽培も始めてみると、土の事にも自ずと目が向くものですね。
毎日色々な発見があります。

と、前置きが長くなってしまいましたが、立夏と言う事で夏の特徴からスタートしたいと思います。

【夏の特徴】
夏は立夏から立秋までの3ヶ月をさします。
今年だと5月5日から8月7日までの3ヶ月となります。
夏は昼が長く夜が短く、気温が一番高くなり湿度も上がります。

と、季節の特徴はここまでなんですが、最後の1行がとても重要で
「昼が長く夜が短い」「気温が高くなる」「湿度も上がる」
この3つが、どんな風に体に影響を与えていくのか…を次でまとめてみたいと思います。

最後までお読み下さりありがとうございました!
次回は6日後、5月16日の予定です♪


ランキングに参加しています。
下のアイコンをクリックして頂けるととてもとても嬉しいです♪m(_ _)m
にほんブログ村 料理ブログ 薬膳料理へ
にほんブログ村

[PR]
# by yuri_yakuzen | 2013-05-10 12:09 | 二十四節気(2013年度)

19候:立夏初候「蛙始めて鳴く」:四季と五季。

本日5月5日は二十四節気の「立夏」です。

日本の略本暦では「蛙始鳴(蛙が鳴き始める)」

と表現されています。
中国の宣明暦では「螻蟈鳴」(雨蛙が鳴き始める)とあります。

夏の気配が感じられ暦便覧には「夏の立つがゆへなり」とあり、立夏の本日から立秋までの三ヶ月が「夏」となります。
とは言っても、まだまだ朝晩ひんやりしていますし、日中も日陰に入ると肌寒いですね。

中医学のベースになる思想や理論などの中に、「五行学説」と言うものがあります。
五行学説の考え方は、万物の構成要素として「木・火・土・金・水(もっかどごんすい)」があり、世の中全てのものをこの構成要素に当てはめた考え方です。

五行の「行」は「巡る(めぐる、めぐり)」と言う意味でもあるので

五行=五つのめぐり

と言う事にもなります。
五行の属性として、方角や色、味、臓器、感情など様々なものがあります。
当然の事ながら「季節」も五つに分かれてきます。

日本で季節と言うと「春」「夏」「秋」「冬」の四季なのですが、中国では「春」「夏」「長夏」「秋」「冬」の五季になります。
ただ「長夏」は暦上での区切りがないので、立夏や立春などの括りの中には存在していません。
暑くて雨が多く、湿度が高い時期…で、中国では立秋前の土用の頃にあたる季節なのだそうです。
ちょうど日本の「梅雨」に似ているので、日本では梅雨の季節を長夏に当てはめています。
また、四季それぞれの土用(立春、立夏、立秋、立冬の直前18日間ぐらいですが、太陽の経度で決められています。)の時期も長夏に当てはめています。

梅雨の時期と土用を合わせると、いかに「長夏」が長いものか…と思うのですが、湿度の高い日本では、そんなものなのかもしれません。

今年の春土用は4月17日~5月4日まででしたので、土用は終了し、本日立夏より夏のスタートとなります。暦の上では「夏」のスタートとなりました。


薬膳も春から夏の養生薬膳に切り替わってきます。
夏の3か月を蕃秀(ばんしゅう)と言い、草木が成長し花は咲き乱れ、陽気は盛んとなります。

初夏に養っておきたい五臓は「心」
現存する中国最古の医学書「黄帝内経」にも「心主夏」(心は夏をつかさどる)とあり、夏の疲れは動悸などの心臓にきやすくなります。

次回更新では、夏の特徴や影響などをまとめてみたいと思います。
本日も、最後までお付き合い下さりありがとうございました。




ランキングに参加しています。
下のアイコンをクリックして頂けるととてもとても嬉しいです♪m(_ _)m
にほんブログ村 料理ブログ 薬膳料理へ
にほんブログ村

[PR]
# by yuri_yakuzen | 2013-05-05 11:39 | 二十四節気(2013年度)

18候:穀雨末候「牡丹はなさく」:春から初夏へ~春のまとめ。

本日4月30日は二十四節気「穀雨」の3番目の候、末候で日本の略本暦では

「牡丹はなさく(牡丹華)」

と表現されています。
中国の宣明暦は「戴勝降于桑」(郭公が桑の木に止って蚕を生む)

とあります。

穀雨は「春の雨が全ての穀物を潤す」と言う意味なのだそうですが、本日は朝から雨模様です。
植物にとってはまさに恵みの雨と言う事ですね。

さて…穀雨が終わればいよいよ「立夏」と言う事で、夏が始まるのですが、夏の薬膳に向けて…トマトの栽培を始めてみました。
f0250305_1255252.jpg

個人的にトマト大好き!と言う事もあるのですが、夏の薬膳ではトマトをよく使いますし、五色で赤は夏の色。五行は「火」となります。
f0250305_12124512.jpg

この黄色く可愛いお花も、夏になれば赤い実をつけるのでしょうか。
とても楽しみです。

2月の立春から始まった菜時記のブログも、次回は立夏です。
春の最後に、春の薬膳の事を少しまとめておこうと思います。





【春の薬膳:まとめ】
■春の期間

2月4日頃の「立春」から次の5月6日頃の「立夏」までの間の3ヶ月間。
「雨水」「啓蟄」「春分」「晴明」「穀雨」までの6つの節気があります。

■春の特徴
寒さが和らぎ、気温も上昇し暖かくなる時期、新芽や花が咲き始める頃です。
冬眠していた万物の生長、発育、成長の時期で、五行学説では、春は「木」に属し、五気は「風(ふう)」となります。
※但し「風」は春の五気ではあるが、四季に渡って影響する。

■人の状態
春の陽気が盛んになるにつれ、体内のエネルギーも高まり新陳代謝が上がり、冬に蓄えたものを使い切ろうとする解毒の状態で、体内の気血の流れも活発になってきます。
五臓では「肝」の働きが活発になり、肝気が盛んになると体の不調は上半身に症状が出やすくなります。
(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、熱、目の充血、のぼせ、頭痛など)
春は気温の上下が激しいので、冬から目覚め立ての体は抵抗力が低く、ウイルスなども体内に侵入し易い季節でもあります
また、肝気が上がりすぎると、精神・情志の活動も上がり興奮状態になりやすく、イライラしたり落ち着かないなどにも繋がります。
これらの症状は、五臓の脾胃にも影響を与えやすくなります。

■春の養生
「肝」の働きを調え、肝気を落ち着かせ、胃腸(消化吸収機能)を補っていきます。

■春に摂りたい食材
肝気が上がりすぎるのを押さえる

蕎麦、小麦、豆腐、セロリ、芹、三つ葉、菊花、薄荷、茶葉などの他、春野菜などの苦味のあるものは、苦味成分が胃腸の動きを刺激し、老廃物の排出の手助けもしてくれます。

脾胃を補う
じゃがいも、山芋、かぼちゃ、にんじん、しいたけ、米、はと麦、鶏肉、はちみつ等。

春の味覚
五味では春は「酸味」です。
りんご、キウイ、パイナップル、酢、レモンなどがあります。
「酸味」は肝に帰経しているので、一番肝に入りやすい味覚です。
ただし、陽気や発散する力を押さえる「収斂作用」や「固渋」のがあります。
摂りすぎると、筋肉などを強ばらせる事もあるので、摂りすぎには注意が必要です。

冷え性の人や、高齢者、体の弱い人は酸味を控え気味にし、上昇するエネルギーをサポートする温性で辛味や甘味の食材なども使うと良いとされています。
辛味の食材には、生姜、葱、紫蘇、香菜、パセリ、胡椒、唐辛子、シナモンなどがあります。




季節を改めて意識して追いかけておりますが、日々の暮らしの中にとても自然に季節の事や自然の事が入ってきます。

都会のマンション暮らしと言う事もあって、自然と無縁と思い込んで過ごしておりましたが、日々の意識があるだけで、人の暮らしと言うものはこうも豊かな気持ちになれるものなのか…と、短い期間の中で思う事が沢山あります。

次回は「立夏」
まだまだ春の余韻を残したままの体内ですが、季節は確実に移り変わっていきますね。
それではまた5日後に!

最後までお読み下さりありがとうございました。

ランキングに参加しています。
下のアイコンをクリックして頂けるととてもとても嬉しいです♪m(_ _)m
にほんブログ村 料理ブログ 薬膳料理へ
にほんブログ村

[PR]
# by yuri_yakuzen | 2013-04-30 12:53 | 二十四節気(2013年度)


国際中医薬膳師が綴る季節の薬膳コラムです。

by yuri_yakuzen
メモ帳
数あるブログの中から、当ブログにお越し頂きありがとうございます。

食に関係するブログをいくつかやっているのですが、このブログはその中から「薬膳」に関する内容を取りあげたブログとして、誕生しました。

ゆるゆると綴って参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最新の記事
カテゴリ
お気に入りブログ
外部リンク
検索
以前の記事
ブログジャンル
記事ランキング
ファン
その他のジャンル
画像一覧