本日5月31日から6月4日までは「小満」の末候です。
日本の略本暦では
「麦秋至」(ばくしゅういたる)
中国の宣明暦では
「小暑至」(ようやく暑さが加わり始める)
とありました。
日本では「麦が熟して麦秋となる」とあり、まだ5月なのに秋の文字?と思わず首を傾げてしまいましたが、この時期は麦の収穫の時期なのだそうで、麦にとっては「(収穫の)秋」と言う意味なのだそう。
二毛作をされている農家にとっては、麦秋はとても短く、この収穫を終えてもうひと仕事となります。
今年は例年よりも早い梅雨入りになってしまったので、一息つく暇もなさそうです。
早い梅雨入りは、どんな夏の訪れになるのか色々と気になる所ですが、前回の続き、夏の養生について少しまとめてみたいと思います。
夏の養生法として、前回この4つを挙げました。
これは中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」に書かれている季節の養生で、こんな風に書かれています。
「夜臥早起 無厭於日 使志無怒 使華英成秀 使気得泄」(素問:四気調神大論)
・夜は遅く寝ることがあっても、朝は日の出とともに早く起きる。
・炎天下の暑いところに長時間いないように気をつける。
・物事にイライラせず、いつも愉快に過ごすのがよい。
・適当な運動をして陽気である汗をかくこと。
これらに背くと、夏によく活動する心気が痛んでしまい、秋になって瘧(おこり)になるとあります。
前回はこの中からピックアップし、またちょっと付け加えた形でこんな事を並べました。
・夜は少し遅く寝て、朝は早く起きる
・イライラせず気持ちよく過ごす
・体を動かし、適度な汗をかく
・冷えに注意する
夜は少し遅く寝て…と言うのは、昔の人は日の入りと共に寝て、日の出と共に起きる…といった生活だったと思うのですが、この時期は日の入りが遅くなるので、おのずと就寝時間も遅くなる…と私的に解釈しましたが、どちらにせよ、今の時代では日の入りと共に就寝は無理ですよね。
それでも出来るだけ「今日」のうちには就寝したいと思いますし、朝も早めに起きたいなぁと思います。
先日良いタイミングでの就寝と起床が続いていたのですが、睡眠時間やタイミングの調子が良いと、1日の調子も全然違ってくるんですよね。
イライラするのも、夏は暑さも手伝ってなかなかイライラが収まらない気がするんですよね。
これは出来ればどの季節もイライラせず穏やかに過ごしたいものです。
また、体を動かして適度な汗をかくというのは、普通に考えても体には必要な事として捉えられますが、夏は陽気が一番強くなる時期でもあるので、体内の陽気も外に発散させたないと体に篭もってしまいます。
体内で陽気が多い所は、心や肺と言う事なので、心に熱がこもると心臓を悪くしたり、肺に篭もると咳が出たりします。
秋になってから、咳が出て…と言う人は、夏の養生不足が原因かもしれません。
(逆之則傷心 秋爲瘧 奉收者少 冬至重病 「素問:四気調神大論」)
問題は、汗をかく…って、現代では結構難しくなってきている様な気がします。
夏はどこにいってもクーラーが効いているので、なかなか汗もかけず場合によったら、クーラー病などと言われる様に冷えからくるものもあると思います。
後は、冷たいものの取りすぎなども確実に体に影響を与えてしまいます。
夏の過ごし方は、エアコンの効いた部屋に篭もってばかりではなく、暑さを感じ、体を動かし汗をかいて発散し、イライラする事なく、と言う事ですね。
七十二候に合わせて5日に1度の更新となっていますが、こちらに訪れて下さる方もいらっしゃり、嬉しい様な恥ずかしい様な…で、綴っております。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
次回は夏の食養生の注意事項について書こうかなと思います。
それではまた5日後に!
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